偉人メシ/真山知幸

 

 

 歴史上の偉人からボブ・マーリービートルズまで著名人がどのような食事をしていたかを紹介した本です。

 

 もう少し、それぞれの偉人が生きた時期との食文化との絡みなんかをもっと多めに取り上げてくれていたら、もう少し「深い」本になったんじゃないかという多少残念な面はありますが、まあ、トピックとしては面白いモノになっていているのですが、ちょっとそれ一本で300ページ近くというのは、少し食傷気味だったのも否定し難い所です。

 

 多少取り上げられている食文化との絡みですが、冒頭に紹介されている「合戦メシ」のパートで、1日3食となったのは合戦時の栄養補給という意味合いがあったのがキッカケのひとつとなったとか、合戦時の保存食、かつ効率的な栄養補給の手段として梅干しや鰹節が考案されたというのが興味深い所です。

 

 また、江戸時代に外食文化が花開いたのは1657年の明暦の大火を契機に家庭での火気の使用が制限されたことが発端だということで、その頃はちゃんとした店舗ではなく、屋台みたいなモノでの運営がほとんどだったということで、江戸東京博物館でも紹介されていましたが、握り寿司や天ぷら、そばなどバラエティに富んだメニューが提供されていたということです。

 

 個別の偉人のエピソードでは、キュリー夫妻やアインシュタインが研究に没頭するあまりかなり貧弱な食生活で、キュリー夫人なんかはそのあまり栄養失調となったということが印象的なのと、ルイ14世、16世親子の凄まじいまでの大食漢ぶりでしょうか…

 

 まあ、色々とグチってはいますが、小ネタとしては結構楽しんで読めますので、職に興味のある人は是非一読の程を…