幕末・明治 偉人たちの「定年後」/河合敦

 

 

 先日、徳川幕府の殿様たちのその後を追った『殿様は「明治」をどう生きたのか』を紹介しましたが、コチラも同じような趣旨の本ですが今回は殿様に限らず、幕末~明治に活躍された方々の晩年を紹介した本です。

 

 取り上げられているのが、勝海舟榎本武揚といった旧幕府側の人々が最初に出てくるのは佐幕よりらしい河合センセイならではですが、さすがに今回は明治期に活躍された方々という主旨なので、長州の山県有朋や土佐の板垣退助なども取り上げられており、今年の大河ドラマの主役であった渋沢栄一も紹介されています。

 

 オドロキなのが、『殿様は「明治」をどう生きたのか』で紹介されていた、脱藩してまで旧幕府軍に加わって戦った請西藩主・林忠崇を再び取り上げているところで、河合センセイは余程この方の生きざまに入れ込んでいるんだなぁ…と感心させられます。

 

 「定年後」となってはいますが、モチロンここに取り上げられていた方々に「定年」がないだけではなく、多くの人々がかなり老齢になるまで活躍されていたということで、やはり偉人と言われる方々のバイタリティはハンパないんだなぁ…と感心させられます。

 

 中には隠居されていた方々もいらっしゃって、1章を設けて島津久光などが取り上げられているのですが、それでも58歳迄公職に疲れていたということで、純粋に早くから楽隠居というワケではないようなので、やはりハリをもって生きていこうとするには、自分なりに何らかのミッションを持っておくべきなんでしょうね…