「世界標準」のお金教養講座/泉正人

 

 

 『レバレッジ』シリーズの本田直之さんと親交が深く、ファイナンシャルアカデミーを主宰されて、お金に関する啓蒙活動で知られる泉さんが貨幣経済のメカニズムを踏まえての一生モノの「教養」を紹介された本です。

 

 『お金の教養講座』とありますが、おカネを殖やすための方法論とか、そういう直接的なモノではなく、現代の貨幣経済の仕組みから鑑みて、色んな意味で豊かさを享受できるような3段階の考え方を紹介されます。

 

 その3つの段階と言うのが、

 

  1. 信用

  2. 価値を見極める力

  3. 両面思考

 

で、これらを身に付けることにより、経済的にも社会的にも豊かさを享受できるようになるということです。

 

 まずは「信用」なのですが、貨幣経済においては、「信用」を多く得ることがより多くのおカネを得ることができる可能性が高まるということで、これまでより高い学歴を経ることで多くの収入を得ることができることができることが多いことについて、それだけの成果を出すチカラを備えているという「信用」が得られるからだとおっしゃいます。

 

 第二段階の「価値を見極める力」ですが、どうしても貨幣経済においては”価格”に左右されてしまいがちですが、自分が対象のモノやサービスにどれだけの価値を見出すかということと、それに付けられている価格を比較して、その価格に見合うだけの価値を感じるのかを常に考えることで、より効率的に「価値」を享受することができ、ひいては豊かさにつながるということです。

 

 さらに第三段階の「両面思考」で、自分ではない誰かが、一定のモノやサービスにどれだけの価値を見出すんだろうということを認識できるようになれば、それをリーズナブルに提供できる手法を見出せば、それだけのマーケットと利幅を得ることになり、事業の成功を伺うことができるということのようです。

 

 おっしゃられていることは、いわれてみれば当たり前に感じるのですが、そこを常に意識しているかどうかで、かなりの差が出てくると思われ、特に自分への「信用」と自分が見出す価値についてよく考えておくだけでもかなりトクができるんじゃないかと感じます。

 

 サラッと読めて、深い洞察を得られる本ですので、是非とも一読の程を!