お金をちゃんと考えることから逃げ回っていたぼくらへ/邱永漢、糸井重里

 

 

 最近読んだ本(多分、楠木新さんの『定年後のお金』…)の中で触れられていて、タイトルが気になったので、手に取ってみました。

 

 結構多くの日本人…特にワタクシ(現在52歳)以上の世代の人にとっては、そういわれてみれば自分も、おカネについてそういうスタンスだった、という方が多いかも知れません。

 

 この本は2001年に出版された本なのですが、コピーライターの糸井重里さんが前々から「お金の神様」と言われていた邱永漢さんにいろいろ尋ねたかったそうなのですが、そう思っている時に出版社から対談を打診されて、即断してできたということです。

 

 元々、武士道の思想の影響が連綿と続いていたのか、日本人、特に男性がおカネについて云々することについて、あまりいい目では見られなかったということで、タイトル通り、おカネについてはしっかりと向き合って考える必要があったはずなのに、そういう世間の風潮にカマケて、逃げ回っていたんじゃないか、という糸井さんから邱さんへの問いがあります。

 

 それに対して邱さんは「恋愛をする人が失恋を怖がるようなもん」という絶妙な例えを返されます。

 

 といった感じで、主におカネにまつわる糸井さんのギモンに邱さんが答えるというカタチで進んでいくワケですが、目先のおカネのより信用などと言うように、さすがはおカネ関連の自己啓発本のパイオニアらしい、今の目から見るとスタンダードなんだけど深遠なお話が続きます。

 

 この翌年におカネを好きになることをススメた神田昌典さんの『非常識な成功法則』が出版されたワケですが、台湾出身の邱さんは一歩も二歩も前を言っていたということなんですね!?