『妻のトリセツ』に始まり『夫のトリセツ』のみならず『娘のトリセツ』『息子のトリセツ (扶桑社新書)』など『家族のトリセツ (NHK出版新書)』シリーズの大ヒットで知られるAI研究家の黒川さんが、”研究のラスボス”とまでおっしゃる共感障害について取り上げられた本です。
「共感障害」というコトバに馴染みのある方はそんなに多くないと思われますが、多少馴染みのあるコトバだと、自閉症と関連があるということなのですが、こういう”障害”がかなり増えてきているようです。
この「共感障害」というのは、あいさつができないとか、いちいち指示をしないとそれ以外のことができないとか、とかく日本では”配慮”というモノが求められがちですが、そういうことが一切できない一方、本人が”指示”されたと感じたことについてはとことんまで突き詰めるので、無能なワケではないのに、”指示”から外れたということについてはとことん欠落してしまうので、やる気が無いのか!?とかと思われてしまって、「扱いにくい」というレッテルを貼られがちのようです。
特に、日本企業においては、”忖度”というコトバが取り沙汰されるように、極端に先回りしておくことが求められる傾向が強いので、そういう認知の傾向があると、さぞ生きづらいことになってしまうことが容易に想像できます。
実は、著者である黒川さん自身も、この本が書かれたつい1年位前に、どうやら自分は共感障害であったらしいということが分かったということなのですが、それくらい認知度が低い、かつ顕在化しにくい部分があるようです。
実は、アインシュタイン、本田宗一郎、スティーブ・ジョブス、フレディ・マーキュリーといった名だたる天才たちが共感障害だったと言われており、「使えないヤツ」と切り捨ててしまうのは、極端な話、人類の損失ともなり得るということで、何とか才能を発揮できるような状況にできたら…ということでもあるようです。
表面上を見ると、欠落しているように思えるのですが、実はかなりフツーの人よりも受け取る情報量が多すぎるが故に、情報の選択がうまくいっていないという側面がある様なので、こういうところについての世間での認知が高まって、対応や活用についての認識が高まらないといけないですよね!?