サクサクわかる現代史/青木裕司、片山まさゆき

 

 

 河合塾の名物世界史講師として知られる青木さんが、麻雀を題材にしたマンガで知られる片山さんのマンガに乗せて、第二次世界大戦以降の世界史の大きな流れを紹介した本です。

 

 大きく分けて、パレスチナ紛争を中心とした中東情勢と、ソ連の勃興から冷戦構造~ソ連の滅亡、それ以後のアメリカ中心の世界という構図を、世界を学校のひとつのクラスという位置付けで、各国をアメリカくんだったり、ソ連くんだったりという個人になぞらえて、アメリカくんとソ連くんが”番”を張りあうといった構図になぞらえて語られています。

 

 確かにこうやって語ると抜け落ちるモノは多々あるのですが、何よりもキモとなるストーリーのコアの部分はきっとこれで忘れないような気がしますし、あとは個人的な努力で肉付けしていければ、かなり世界史Aの内容は抑えられるんじゃないかという気がします。

 

 また、仲間の取り込みとか、囲い込みとか、世界の具に愚にが覇権争いでやっていることというのは、クラスの勢力争いと全く変わることは無さそうで、国際連合のことを「番長連合」としているのは言い得て妙で、本質を突いたものと言えるかもしれません。

 

 当初、シリーズ化も視野に入れられていたようですが実現することはなかったようで、実現していたらかなり高校生の世界史の成績アップにつながっていたんじゃないかと思うと残念でなりません。

 

 一見バカバカしく見えるところも否めないのですが、一読して得られる成果はそんなにバカにしたもんじゃないと思いますよ!