齋藤センセイが、ご自身をモデルとした方が店主をしていると思しき古書店にお客さんとして訪れた中学生と高校生の兄弟が、それぞれとの交流を通して、本が少年たちに与える影響についてストーリー仕立てで語られた本です。
中高生があまり本を読まなくなったと言われるようになって久しいのですが、未だに人によっては人生の方向性に影響を及ぼすような本との出会いがあることは間違いないはずで、齋藤センセイはそういう出会いを促す意味もあってこういう本を書かれたのかも知れません。
イジメだったり恋愛だったりおカネのことや進路のことなど、若い世代の悩みは尽きないところだと思われますが、この本ではそういうことに対して、古書店の店主がさりげなく関連した書籍を勧めて、解決策とまでは行かないまでも打開の糸口みたいなものを提供されていて、柔らかな感性を持つ若い人だからこそ、本が持つポテンシャルというのが未だ多大なモノであることを示唆されているような気がします。
まあ、ビミョーにコジツケ的な部分も無きにしも非ずではありますが、こういうモノが若い世代にとっての読書をする習慣になるキッカケになればいいなと、こういうブログを上げ続けているワタクシなども強く思う次第であります。