1冊読み切る読書術/齋藤孝

 

 

 これまでも、これでもか!?という程、読書術に関する本を出版されてきた齋藤センセイで、このブログでも『読書する人だけがたどり着ける場所』『大人のための読書の全技術』『本には読む順番がある』を紹介してきましたが、それでもなかなか読書習慣を定着できない人は多いようで、この本はかなり初心者よりに舵を切った内容になっています。

 

 齋藤センセイは最近教職課程で教鞭を取られているということですが、そんな学生たちでも読書習慣をつけた方がいいとわかっていながらも、なかなか定着させることができていないということで、こういう本を書かれたようです。

 

 まずは本を手に取ってもらおうという所からのモチベートということで、名作のダイジェスト版を集めた本とか、スマホにオーディオブックのソフトを入れてとか、映画やドラマの原作とか…ホンのちょっとしたことから、1冊読んだんだという成功体験を積み重ねてもらおうということのようです。

 

 さらには、目次を見てから読んで全体のイメージをつかんでから読もうとか、ドラマや映画を見てから原作を読もうとか、とにかく作者の言いたいことを把握したければ3章くらいから読めばいいとか、とにかく読み切ることができるようにするコツを色々と紹介されています。

 

 特に読書の入り口でつまずいている人は、内容の把握の部分で、読んだら大部分を把握しないといけないんじゃないかと思う人が少なからずいるようで、3割も覚えていれば十分だとか、3つココロに残ったところがあれば十分だとか、そういう意味でも心理的なハードルを下げることを強調されています。

 

 確かに、マジメに捉えることで読書のハードルが上がるくらいなら、気軽に取組んで、何か得るところがあればラッキーくらいのつもりで、ひょっとしたら人生を変えるような本に出合えるかもしれないですしね!?