本には読む順番がある/齋藤孝

 

本には読む順番がある

本には読む順番がある

 

 

 齋藤センセイの読書本なのですが、これまでもこのブログで『読書する人だけがたどり着ける場所』や『大人のための読書の全技術』といった秀逸な齋藤センセイの読書本を紹介してきましたが、昨年12月出版の最新刊を手に取ってみました。

 

 齋藤センセイは、教鞭を取られている大学でも学生たちに様々なカタチで、ゼミや講義の中で読書を取り入れられているようなのですが、それだけに方法論についても多種多様に及んでいるようで、今回は未知の分野についての順を追った読書法について紹介されています。

 

 特に個人的にこの本を読んでうれしかったのは、自分ではアキレス腱的に感じている、哲学だったり、自然科学だったり、宗教といった分野で、ステップ1~3ということで、まず最初に手に取るべき本から、ある程度知識や興味を持った上で、ステップアップして行って手に取るべき本を紹介されていて、その分野でそれなりの知見を得られるところまで引き上げてくれる読書法を紹介されています。

 

 さらには、ニーチェドストエフスキーといった少々取っ付きにくいイメージのある作家についても、分かり易い作品から、マスターピースと言われる作品まで、より理解しやすいように段階を踏んだ本の選び方を指南されています。

 

 個人的に身につまされたのは、夏目漱石の本の選び方で、『坊っちゃん』や『吾輩は猫である』は読んだことがあったのですが、そこからいきなり『こころ』に行って撃沈した経験があるのですが、『三四郎』『それから』『門』といった前期三部作を経た上で読んだ方がよいというこの本の指摘にはナットクが行きました。

 

 この本を参考に、一つでもアキレス腱と思っていた分野を克服したいところです。