僕はこう思うんだ/松岡修造

 

 

 昨日に引き続き若年層のスポーツに関する本ですが、こちらはあの松岡修造さんがスポーツが子どもの成長に果たす役割を語られた本です。

 

 この本が出版されたのは2004年で、まだ修造さんがテニスコーチとしてのスタンスで活動されていた頃だと思われますが、コーチとしての活動や、ご自身の選手としての経験、ご自身が育てられた環境や、ご自身の子育ての経験を踏まえて、子どもがスポーツに取組む意義を語られます。

 

 この頃も既に大事に大事にされて育った子どもたちが多かったようで、そういう子どもたちが自分の考えに従って自律的に行動できるようになるためにはスポーツで勝ったり負けたりして、自分なりに工夫をしてどうやったら勝てるのかを考えて行動することで、自分なりの行動をできるようになると考えておられるようで、必ずしももスポーツで身を立てるようなところまでは行かなくても、ある程度の期間、それなりの熱意でスポーツに取組むことの意義を強調されています。

 

 だからこそ、仮に多少才能があって、それなりに勝てるような立場になっても、あんまり親が期待してあれこれ言うんじゃなくて、好きなように楽しめるように、時に煮詰まった時だけ手を差し伸べるだけにしておいた方が、色んな意味でその子にとって大きな成長を促すんじゃないかとおっしゃっています。

 

 よく、体育会系の就職がいいというのは、こういう社会性の部分を評価されているところもあるはずで、トップアスリートになれれば、それはそれでいいんでしょうけど、スポーツをやり通すだけでも、かなりの意義があるはずで、温かくわが子の成長を見守っていきたいものです。