『いますぐはじめる地頭力』などの著書で”地頭”という概念をイッキにポピュラーなモノにした細谷功さんが、コロナ禍を受けてより重要性を増すとされる「問題発見力」の身につけ方を紹介した本です。
これまで日本ではビジネスパーソンにも問題解決を求められることが多く、学校でも問題解決力を身につける教育を中心としてきたワケですが、グローバル化の進展に伴う我々を取り巻く環境変化の圧倒的な加速と、AIの進展により問題解決が求められる場面が減ることが見込まれることから、問題を見出す「問題発見力」の重要性が以前からささやかれてはいたのですが、コロナ禍による環境の不安定化で、その重要性が加速度的に増しているようです。
ただ、難しいのが問題解決力への順応度が高いほど、問題発見力を向上させていくのが困難な側面があるということで、従来エリート層とされてきた人たちがドラスティックな思考の転換を図る必要があるということです。
特に、問題解決のためには多くの知識やノウハウを蓄積して行かなくてはならず博識が求められる部分があると思うのですが、問題発見のためには「無知の知」が重要で、ある意味謙虚にならなくてはならないということで、かつ問題解決がHowを重視して問題を内向きに突き詰めていくのに対し、問題発見がWhyを繰り返して問いかけることで、発想を外側に発散させていくということで、発想の真逆の転換が求められるという困難さがあるようです。
ただ、ギモンを持ち続けるとか、あるジャンルでの問題解決を他のジャンルに持ち込もうなど、ある程度の定型的なスタンスもあるようですが、常に自分なりの思考を働かせることで脳にシゲキを与え続けなくてはいけないようで、今まであまり日本人が得意でなかったようなところが強く求められるのは、なかなかタフですよね!?