タイトルを見て「子供じゃあるまいし…」と思った方も居られるかも知れませんが、脳科学者の中野信子さんの著書に『ヒトは「いじめ」をやめられない』があるように、イジメというのはある程度ヒトの本能の根差すモノがある以上、オトナもイジメに手を染めてしまうことがあるようですが、この本では職場で組織的に行われるイジメについて語られています。
この本の著者の坂倉さんは『ブラック企業』の出版で一躍その実態を世に知らしめたことで知られる今野晴貴さんと共に、ブラック企業からの労働者の救済に取組むNPO法人POSSEの設立に携わられて、現在も理事として活躍されている方です。
かつては賃金の不払いや不当解雇といったトピックが厚労省が運営する相談窓口における相談内容の多数を占めていたのですが、近年は職場における「いじめ・いやがらせ」が圧倒的に他のトピックを引き離して1位なんだそうで、その差がドンドン開いて行っているようです。
コンプライアンスにウルサくなった昨今ではにわかに信じがたいですが、暴力を伴ったイジメも相当数に上るようで、特に過重労働でストレス過多の職場においては、ガス抜きとして黙認されているような状況もあるようです。
さらには、目障りな労働者を敢えてイジメさせて「矯正」や「排除」を促したり、「反面教師」として追随しないように仕向けたりと、半ば会社主導とも思えるようなケースも少なからずあるようで、そういうイジメの防止に会社は役に立たないことの方が多いということです。
先日紹介した『ブラックバイト』でも泣き寝入りせずにユニオンなどへの相談を勧められていましたが、ただ辞めるだけではなく不利益を回復するような動きをすることが、その後残される社員にとっても利益をもたらすという側面もあるようで、積極的に相談などを活用することで、会社がイジメなどを積極的に解決しようとしないことで不利益を被ることを認識させることで、職場におけるイジメを減らしていく効果も見込めるということで、思い当たるフシのある方は、是非とも一読していただいて、立ち上がってもらいたいところです。