「ハッピーな部活」のつくり方/中澤篤史、内田良

 

 

 昨日に引き続き金髪の教育学者内田センセイが絡まれた本を紹介します。

 

 センセイ方にとっては残業代も休日出勤手当も出ないのに顧問を強要されるブラック勤務の元凶だったり、生徒たちにとっては勝利至上主義のパワハラ顧問に暴力を含めた仕打ちを受けたりと、近年はとかく評判が芳しくない「部活」について、生徒の目線から見て「ハッピー」なモノにするための方策を模索されます。

 

 そもそもあくまでも部活というのは「任意」のモノであり、参加してもしなくてもそれは「個人の自由」なはずですが、事実上強制となっている学校があったり、同調圧力や、内申書に影響するのではないか!?という都市伝説から、イヤイヤながらも部活に参加してツマラない想いをする生徒さんたちが後を絶たないということです。

 

 ただ、部活に参加しないからと言って進学の不利益になることは無いようで、イヤなら止めればいいワケですが、せっかく参加するのであれば楽しく過ごしたりとか、何か参加した意義が残るようなモノにしたいというのは正直なところだと思います。

 

 だから先輩からのイジメとか、顧問からの体罰や言われのない叱責というのは論外ですが、それぞれが自分の参加意識をもって取組めるように、全員がナットクできるような落としどころを話し合いなどを通じて見出すことの重要性を語られています。

 

 かつてラグビー大学選手権で9連覇の偉業を果たした帝京大学ラグビー部は、新入部員がスムーズに入って行けるように、いわゆる雑用というモノを上級生が請け負っていたというエピソードがこの本でも紹介されていますが、旧来の部活の在り様を忘れられないワタクシのような世代から見ると隔世の感がありますが、部活をスムーズに運営するためには、逆にリーズナブルだといわれると、なるほどなぁ…と思わされます。

 

 勝ち上がって行きたいと思うような人と、ただただ楽しく部活に取組みたいという真逆の志向を両立させるのはカンタンではないとは思うのですが、一定のナットク感を得られるための取組というのは意義があることなのかな!?とは思います。