ロックの歴史/中山康樹

 

 

 先日『ビートルズの謎』を紹介したジャズ雑誌元スイングジャーナル編集長でありながら、ジャズだけではなく桑田佳祐にまで造詣が深かった今は亡き中山康樹さんが、こんな本を書かれていたのを知って手に取ってみました。

 

 タイトルを見るとロックの通史を紹介しているように受け取られますが、カバーしている範囲は1970年代初頭までとなっているので、どっちかというと如何にロックというジャンルが形成されていったかということについて語られているように思えます。

 

 通史的に言うと、アメリカで黒人のブルースと白人のカントリーが融合してできたロックンロールが元になっているということになりますが、ダンス音楽たるロックンロールのままだと言い方は悪いですが、子供だましの消費されていくだけの音楽だったはずですが、それが誕生から70年近く経っても生き続ける音楽になったのかということを語られます。

 

 基本的には、オトナの鑑賞に堪えるというか、飽きずに聞き続けられるようになったことが大きいのですが、やはりそのベースを作ったのがビートルズであることは間違いないのですが、ローリングストーンズとのせめぎ合いがロック誕生当初のたね火となったことは間違いなさそうです。

 

 またエリック・クラプトンを中心としたいわゆるブルースロックが、ややもするとノリに流れそうなロックンロール的な要素に深みを与えることに貢献し、鑑賞に堪えうるという意味で大きな役割を果たし、その決定版としてのアメリカからの回答ということでのジミ・ヘンドリックスが登場したことで当初の基盤が確立されたと語られています。

 

 いわゆるロックの通史の定説とは多少異なるところがあって、なかなか興味深いのですが、特に気になったのがザ・バンドの果たした役割に大きな評価をされているところで、サザン・ロックバンドとして括られがちな彼らのインテリジェンスの高さを改めて強調されているのが印象的です。

 

 ロックなんて、とバカにする人は今や少ないのかも知れませんが、こういう進化というか深化の過程があったのかと思うと、それもナットクなのですが、最近のモノにそこまでの深みを感じさせるモノが少ないとボヤくのはオヤジのなせるワザなのでしょうか…(笑)