ビッグデータ探偵団/安宅和人/池宮伸次 Yahoo!ビッグデータレポートチーム

 

 

 Yahoo!ビッグデータ分析チームがビッグデータにどんなことができるかを紹介した本です。

 

 ビッグデータがクローズアップされるようになってある程度の時間が経過しましたが、マーケティングとかに従事されている方々を除けば、それがどういう風に活用されているかということをイメージできる方はそれほど多くないんじゃないかとも思えるところがあって、この本では割と身近な例も含めて紹介されていて、かなり興味深い所です。

 

 メインの著者の安宅さんがYahoo!ビッグデータレポートチームの統括ということで、チームメンバーが興味を惹きそうなネタを取り上げて分析した結果を紹介していて、冒頭で新社会人がYahoo!で検索した実績のビッグデータを引き合いにして、4月には「モットー」、5月に「辞めたい」、6月に「恋活」に関する検索をしていることを指摘されていて、気負って働き始めて、一旦疲れて、次第に慣れて行って余裕が出て、生活を楽しむようになっていることを示していることを紹介されています。

 

 また、ビッグデータを今後どのように活用して行こうかという方向性についてもいくつかのジャンルで紹介されていて、実際に既に活用されている路線検索のビッグデータを基にした混雑予測と、回避の案内や、究極的には人々の検索結果に基づく経済予測の指標を立ち上げることも視野に入れられているということで、かなり適用範囲や有効性は高そうです。

 

 個人情報が特定されるワケじゃないのにビッグデータを取られることに否定的な人が少なからずおられますが、取る側もこういうメリットをどんどんと訴求して、もっともっと充実させていって欲しいな、と思えるモノでした。