女子サッカー140年史/スザンヌ・ラック

 

 

 イングランド女子サッカーを専門に取材されている方による女子サッカー史の本です。

 

 今や、昨年4月のチャンピオンズリーグで10万近い観客を集めるようになった女子サッカーですが、やはりかなり性差別的な苦難の歴史があったようで、それを乗り越えて本日の隆盛があるようです。

 

 19世紀末から興行として女子サッカーの試合があったようで、第一次世界大戦時のイングランドでは、中止になっている男子サッカーに代わり慈善興行として開催された女子サッカーがかなりの人気を集めたようです。

 

 ただあまりの人気を警戒したFA(イングランドのサッカー協会)が女子サッカーのスタジアム使用を禁止し、長らく女子サッカーは公式な試合ができない状況にあったようです。

 

 1960年くらいから再び試合が再開されるようにはなったようですが、マラソンなどでも議論があったように、女子にはサッカーは医学的見地から激し過ぎるということで、ピッチやゴールを狭くしようとか、ボールを軽くしようとかという動きもあったようで、実際に試合時間は当初80分だったということです。

 

 男子のワールドカップが1930年から開催されていて100年の歴史を刻もうとしているのに対し、女子のワールドカップはようやく1991年に開催されるようになったに過ぎないのですが、開始以降着々と回を重ねつつあり、アメリカなどでは男子より観客を集めるようになっているということで、今年はオーストラリア、ニュージーランドで開催されることもありますので、男子のワールドカップ程とまでは行かないかもしれませんが、盛り上がって行きたいところですね!?