ワタクシ自身、仕事のことであれば放っておけばいくらでも話しているのですが、イマイチ雑談にはニガテ意識があって、仕事の話が終わった途端、口数が少なくなってお客さんに不審がられたのを思い出します。
実はそういう人は多いようで、この本の著者である「雑談コミュニケーション」専門家を名乗り、コミュニケーションのコンサルティングも手掛けられているという松橋さんも、ギタリストの夢にケリをつけて営業を始めた当初は全くと言っていいほど雑談がダメで、かなりイタイ想いをしつつ身に着けてこられた雑談術を余すところなくこの本で紹介されているようです。
でも、雑談が苦手というのと、話すことが苦手というのは実は似て非なるモノのようで、先日紹介した大ベストセラーの『人は話し方が9割』でも言及されていたように、多くの人は自分が話すことがスキだということで、この本でも、だったら相手に話してもらうようにすれば、わざわざネタを仕込むことも必要ないでしょうし、却ってその方が好感を抱いていてもらえるということで、如何にして相手にキモチよく話してもらえるようにするか、ということが雑談術の極意のようです。
キモチよく話してもらうのに、如何に上手に相槌を打つかというのが重要な要素のようで、その相槌的なリアクションもできるだけ自分の考えみたいなモノを介在させずに、短く相手が言ったキモとなるコトバを繰り返すことで、より相手に話してもらえるということです。
例えば、相手が「昨日、浅草に行きましてね…」といったとしたら、シンプルに「浅草ですか!?」とだけ返した方がより相手に話してもらえるようですし、またやり取りの途中で「どんな」というコトバを入れると相手の話が広がるということで、この2つを仕込んでおくだけでも相当雑談のスキルが上がるようです。
ただ、それでも口の重い相手もいるはずなので、ある程度のフリをするためのスキルというのも紹介されていて、それが雑談のプロともいえるホステスさんの秘儀「木戸に立ち掛し衣食住」というモノを紹介されていて、ワタクシ自身の備忘録としてもそれぞれの要素を紹介しておくと、
キ:気候
ド:道楽、趣味
ニ:ニュース
タ:旅、旅行
チ:知人、友人
カ:家庭
ケ:健康
シ:仕事
衣:衣類、ファッション
食:食べ物
住:住まい
なんだそうで、これを流れに合わせて繰り出していけば、何か食いついてもらえるものがあるはずだということです。
ということで、雑談と得手不得手は、実はメンタルブロック的な要素が大きいのかもしれません。