観光コースでない沖縄

 

 

 タイトルだけ見ると穴場の観光スポットを紹介したガイドブックのようにも思えますが、沖縄の虐げられた歴史を紹介したモノになっています。

 

 薩摩藩の沖縄侵攻以降、現在に至るまで本土の搾取を受け続けた歴史を紹介しているのですが、特に対アメリカ戦の際には、事前に散々飛行場の造成などでの徴用を強いられた上、戦場となって1/4の県民が命を落としたといわれ、しかもその犠牲もアメリカ軍の攻撃によるものだけではなく、日本軍が一般市民に手をかけた事例も少なくなく、また、アメリカ軍に捕まると悲惨な暴行を受けるなどのデマを日本軍が積極的に流し、アメリカ軍に投降していれば助かった命が、そういうデマの流布で自死を選ぶことになった人も多く、挙句の果てに敗戦後は切り捨てられてアメリカの占領下のされたということで、そこまででもなかなかに酷いハナシですが、そこで沖縄の受難が終わらないところが恐ろしいところです。

 

 返還後もアメリカ軍の基地負担を集中的に担わされ、基地のアメリカ軍も暴行や強姦を繰り返すだけでなく、多くの深刻な事故を起こした挙句、それを隠ぺいするかのように警察の捜査を阻むという非道さです。

 

 しかも、日本政府もそれを非難するワケでもなく、むしろ助長してアメリカの追随するかのような姿勢で、基地負担を固定化させようとするだけでなく、ロクに引き換えもなく貧困も全国ダントツだということで、よく”知の怪人”佐藤優さんが沖縄独立を語ることも自然なことだと思えます。

 

 このまま米中の緊張状態が続けば、いつか軍事的な衝突につながる可能性が高まっている昨今ですが、そうなるとやはりまた沖縄が最前線となり、かつての沖縄戦のような甚大な被害をもたらす可能性も否定できません。

 

 このまま沖縄への姿勢を改めなければ、独立だったり中国へのすり寄りだったりといったことを現実的な選択肢とするんじゃないかと思えるほど、日本政府の対応は酷いもので、なぜこんなことを続ける自民党政権政党で居続けるのか、こういうところでも大きなナゾを感じさせられました。