勉強しない子に勉強しなさいと言っても、全然勉強しないんですけどの処方箋/石田勝紀

 

 

 タイトルを見ると、ついついタメ息を突きたくなる親御さん方は少なくないんじゃないかと思いますが、学習塾を主宰されていて子どもたちを「ヤル気」にさせてきた方が紹介される「ヤル気」の出させ方指南です。

 

 この本では親の子どもに対する関与の程度によって、

  ・動物園型

  ・牧場型

  ・サバンナ型

という3つの類型に分類されていて、子どもの幼少期は確かに色々と世話を焼かないといけないので「動物園型」にならざるを得ないのですが、次第に関与の度合いを下げていって、最終的には完全に自立した段階である「サバンナ型」になるはずなのですが、中には子どもへの関与の度合いを下げられない、いわゆる子離れできない親というのが少なからずいるということで、得てしてタイトルのような悩みを持つ親は、自分の子どもに対して「動物園型」の関与をしている人が少なくないということを指摘されています。

 

 確かに色々と子どもに行き届いていないところを感じて、色々と先回りして言ってしまいたくなるとは思うのですが、どこかでそれを止めないと一生子どもに「動物園型」のケアをし続けることができるワケでもなく、逆にそうしてしまうことがお互いに不幸だということをキモに銘じて、子離れをしないと却って取り返しのつかないことになるワケで、グッと堪えて意識的に「子離れ」をすることの重要性が、自律的な勉強への取り組みにも表れるとおっしゃいます。

 

 最初はなかなかうまくいかないかもしれませんが、子どもを信頼して一個の独立した「個」を尊重することで、いつか子どもはその信頼に応えてくれるはずで、親としてもそういう「覚悟」が求められるということを認識しておくべきなんだということを痛感させられた次第でした。