「捨てる」思考法/出口治明

 

 

 何というか実に出口さんらしい…というのが読後の素直な感想なのですが、出口さん自身、大企業へのキャリアを捨てて起業に参画し、育て上げた企業での地位を捨てて、学長へと転身し、脳出血に倒れてからは、様々なモノを捨てて学長として復帰するために邁進してこられたという風にいろんなものを「捨てて」来たからこそ今のご自身があるとおっしゃっておられます。

 

 特に一定のキャリアを築き上げてこられた方ほど、いろんなモノが「捨て」られなくなってしまう感覚となると思うのですが、積極的に「捨て」なければ停滞につながるという側面もあるようで、「捨て」ることで新たな人やモノとの出会えるということを再三語られています。

 

 近年の日本の停滞というのも、経済大国としていろんなものを積み上げてきた結果、「捨て」られなくなることが多くなってしまい、新たなイノベーションを起こすことができなかった結果だともおっしゃっておられます。

 

 特に大企業ではマジメで従順な社員を求める傾向が強いようですが、じゃあ、スティーブ・ジョブズイーロン・マスクがそんなキャラだったかというと、ご存じの通り真逆なワケで、そういうトガッたキャラだからこそのイノベーションなワケで、既存の概念を突き崩すようなキャラを排除してきたが故の停滞という側面があるようで、そういうモノを積極的に「捨てる」ことがイノベーションにつながる可能性が高まるようです。

 

 人間年を取ると守りに入りがちですが、攻めるキモチが充実した人生をもたらすのかもしれませんよ!?