なぜ日本企業はゲームチェンジャーになれないのか/山本康正

 

 

 ベンチャー投資家の方が語られるイノベーションについての本です。

 

 近年の印象では、この本のタイトル通りイノベーションとは縁遠いような気がする日本企業ですが、戦後数々のイノベーションと言えるような変革をもたらしているのは確かで、インスタントラーメン、内視鏡、コンパクトカー、ウォークマン、ウォシュレット、QRコードと印象的なイノベーションを成し遂げてきたワケで、近年、イノベーションと縁遠くなっている背景を、近年のイノベーションの事例と対比させて、その要因を探ります。

 

 この本では金融、食、医療、モビリティといった分野でのイノベーションの事例を紹介されていますが、いずれもITを活用したイノベーションとなっており、日本が得意とするモノづくりの分野でのイノベーションが生まれにくい状況となっており、プラットフォームビジネスにおいてデフォルトスタンダードの形成を得意とするアメリカの土俵でのイノベーションが主戦場となっていることがその要因の一つだということもあるようです。

 

 また、多様性がイノベーションの土壌として理想的だとされるのに対して、日本はかなり同質性が強かったり、割とプロフェッショナリズムや専門家の意見がイノベーションの妨げになるのに対して、日本ではそういうモノを尊重する文化があるということですが、それでも戦後数々のイノベーションを起こしてきたことは確かですが、近年、長期にわたる経済の低迷で日本経済全体が活力を失っていることが、やはりイノベーションから遠ざかっている最大の原因と言えるようです。

 

 だから、まだまだ日本が強みを持つモノづくりの分野とITの融合など、日本がイノベーションを引き起こす可能性は十分にあるとされており、そういったモノを契機に日本経済が活力を取り戻すよう、みんなで希望をもってガンバらないといけませんね⁉