歴史は化学が動かした/齋藤勝裕

 

 

 このブログでも歴史と化学の関連についての本を何冊か取り上げていますが、この本は特定の歴史的な事象について語られるワケではなく、有機化学などの専門家の方が、人類の進化に大きな影響を及ぼした物質について、そのインパクトの内容を語られたモノです。

 

 冒頭で「デンプン」が取り上げられていて、これだけみると「ん!?」と思ってしまいますが、それまで狩猟生活を送っていた人類が、穀物を栽培し「デンプン」を主要な栄養素のひとつとして摂取するようになったことが文明につながり、人類の繁栄につながったと言われると、なるほど…とナットクさせられます。

 

 その他、薬だったり、金属だったりを作ったり、活用したりできるようになったことで、寿命が延びたり、色んなモノを作れるようになったりと、様々な物質が人類の繁栄への具体的な貢献を紹介されているのは、非常に興味深いところです。

 

 モノによっては、物質名だけ見ると???と思うモノもあって、「セルロース」と言われてもピンときませんが、植物の主要成分だったということで、それを燃やすことで「火」を活用できるようになったことが人類の進化の大きな一歩だったということは疑いのないところで、これまた興味深いところです。

 

 こういう観点で「歴史」を考えることは今までなかったので、かなり目からウロコな内容でしたし、化学の観点から歴史を傍観するというのがこれほど有意義なこととは思ってもみませんでした!