「空腹こそ最強のクスリ/青木厚

 

「空腹」こそ最強のクスリ

「空腹」こそ最強のクスリ

  • 作者:青木 厚
  • 発売日: 2019/01/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 ここのところ人間ドックでの高血圧との指摘もあって、“一日一食”とか“糖質制限”といった食事制限についての本を紹介していますが、この本もそういった趣旨で手に取ってみました。

 この本のコンセプトとしては、食事をしない時間を長くすることが様々な疾患を防ぐことにつながるということで、“一日一食”に通じるコンセプトなんですが、そのことについて医学的な根拠を踏まえて紹介されています。

 “一日一食”関連の本でも一日に3食は肥満につながりやすいとされていましたが、この本でも同様のことを提唱されていて、食事の間を16時間取るようにすることで、古くなった細胞を、内側から新しく生まれ変わらせる、オートファジーという仕組みが働くということです。

 このオートファジーに関する理論で、東工大大隅教授が2016年にノーベル生理学賞を受賞されています。

 できれば毎日16時間の食事インターバルを取れれば理想なんですが、週1回でも改善効果がみられるということで、睡眠の時間の前後に食事を取らない時間を設定することで16時間のインターバルを確保することを提唱されています。

 また週末には完全に1食だけにして24時間食事のインターバルを取ると、より効果があがるということです。

 インターバルの確保だけできれば、基本的には何を食べてもよいということで、カロリー制限や糖質制限など食材の選別の必要がないということで、取組みやすさもあるとおっしゃいます。(一応、糖質の摂り過ぎは警告されていますが…)

 このオートファジー理論の活用で、高血圧のみならず、がんや糖尿病の防止にも効果があるということですので、最初はちょっとツラいでしょうが、取組む価値がかなり高そうです!