売文生活/日垣隆

売文生活 (ちくま新書)

売文生活 (ちくま新書)

 最近、ハマりつつある日垣さんの著書ですが、ここ数冊のチョイスは
割と相性のいい本が多いです。
 だからと言って、日垣さんの世界にどっぷり、かというと、なかなか
そういう感じになれないんじゃないか、と言う気もしています。

 で、この本は、敢えて偽悪的なタイトルになっていますが、夏目漱石
立花隆筒井康隆といったそうそうたる先達を事例として考えた、
「ビジネスモデルとしての売文生活」と言う趣旨で書かれたものなんだ
そうです。

 上記のような先達の経済的な先見性のなさを容赦なく指摘したり、
ガッキー節全開なんですが、まあ、それにしても物書きというのは、世
間のイメージよりずっとずっと壮絶な世界なんですね、というのが、
まず第一の感想です。
 それを、軽く読んで、内容がないとかって言っていることもある、
このブログなんて、チョー罰当たりだと言うことになってしまいますね。

 で、「売文者」としては、生活をするために意に染まない原稿を
書く事を強いられることもあり、また生活をするために別の仕事を
して、物書きとしての時間が制約されるということも珍しくない
ようです。

 「売文者」としての究極の「ビジネスモデル」として、日垣さんは
「カネも自由も」と言うことを挙げられています。
 ご自身は、そういうことを意図して、ある程度それに近い状態を
築かれているようですが、どんな人にも当てはまる普遍的なモデルは
当たり前ですが、見いだせないようです。

 でも、「売文者」の方々の、こういう努力のおかげて、我々の生活
がいろんな意味で豊かになるということで、感謝しつつ、ご検討を
切にお祈りしております。