
- 作者: 西部謙司
- 出版社/メーカー: 出版芸術社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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ザッケローニを日本代表監督として連れてきたことで、そんなにサッカーに詳しく
無い人にも名前を知られるようになった、原博美さんに関する評論本です。
「評論本」なんていう大仰な感じではないのですが、浦和レッズ、東京FCの
監督を歴任し、獲得したタイトルはカップ戦一つだけなのに、そのスタイルが愛さ
れるのは、なぜ?と言うことを考察したものになっています。
確かに、その攻撃的なスタイルが好まれる、というのは理解できるのですが、
それだけだと他にも攻撃的なスタイルを好んで、しかももっと実績を上げられている
方が多々いらっしゃると思うのですが、なぜ個々まで原さんがカルト的な人気を誇る
のか、ということについて、著者である西部さんは、原さんの目線がファンに非常に
近いからだと言います。
攻撃的なスタイルの監督であっても、どうしてもタイトルがかかったり残留がかか
ったりするとチームの重心が後ろにかかってしまいがちになると思うのですが、原さん
の場合、「いっちゃえ!」的な姿勢が、サッカーの原始的な楽しみにつながって痛快
なんだろうなあ、と思います。
Jリーグも、プロサッカーチームである以上、結果主義的にならざるを得ない状況
の中で、原さんが監督をされる機会は、今後おそらく無いでしょうけど、そういう
イケイケなサッカーで一喜一憂してみたいな、と言う気もしています。