
- 作者: 二宮清純
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/03
- メディア: 新書
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スポーツ関連の本って、いろいろ読んでて、このブログでもサッカー物を
中心に数多く紹介していますが、何と、世間的には最も有名なスポーツライ
ターである二宮清純さんの本を紹介してなかったんですね!
実は、あまり読んでもいなかったのですが、ふと図書館で見かけたので
紹介します。
2001年に出版された本なんで、これからイチローは活躍できるだろうか、
みたいな話が書かれていますが、まあ、別にトピック自体がどうのこうの
言うのではなく、二宮さんのスポーツに対する見方というか、根っこの部分
を知れるのがいいところです。
で、よく日本では、「ドーハの悲劇」が今もって語り継がれるように、
「敗者の美学」的な取り上げ方をされることが多いようですが、二宮さん
は、これについて、強い違和感を感じられているようです。
反面、勝利至上主義となって、選手に苦行ばかりを押し付けて、スポーツ
を楽しむ姿勢を奪いがちな傾向にも警鐘を鳴らしています。
如何に、勝利に強くこだわりながら、その過程を楽しむか、そういうこと
についての例なのか、弱者が強者を倒す、ジャイアントキリングの一例と
して、西鉄ライオンズが鉄腕稲尾を要して、3連敗から4連勝した日本シリ
ーズの話を紹介されています。
スポーツライターの方は、そういう人が多いかな、という気がするのです
が、二宮さんは骨の髄から、スポーツ的なリベラリズムが身についているん
だなあ、と感じさせられます。