継投論/権藤博、二宮清純

 

 

 1998年に監督として横浜ベイスターズを日本一に導いたのを始めとして、投手コーチとして数々の業績を残した権藤さんの“継投”についての考えを、スポーツライターの草分けともいえる存在である二宮清純さんが引き出します。

 二宮さんによると、現在のプロ野球における先発-セットアッパー2人-クローザーという継投のフォーマットを日本に導入したのは権藤さんが最初だったということです。

 その底辺に流れるコンセプトとして、如何に「打たれる前に換える」ことに徹するかということで、セットアッパーのローテーションという考え方も権藤さんがパイオニアだったということです。

 そういう分業制を徹底させたのは、ご自身が酷使により極めて短い投手としての選手生命を強いられたということと、多くのメンバーによって勝利を手繰り寄せることによって、チームとしての一体感を醸成するといった考えがあったからのようです。

 今でもかなりスゴイ人だという評価は受けているのですが、二宮さんによるとまだまだ権藤さんは過小評価されているとお考えのようで、そのスゴさを垣間見ることのできる本になっています。