攻め切る/戸塚啓

攻め切る―指揮官西野朗の覚悟

攻め切る―指揮官西野朗の覚悟

 現在、名古屋グランパスの監督を務める西野さんの「監督」として
の経歴を描いたもので、この本では、ガンバ大阪の監督を退任した
ところまでが描かれています。

 ガンバ大阪では、Jリーグ史上最長の10年にわたって監督を務めて、
見事に「超攻撃的」なカラーを確立して、ある程度の結果を残した
プロセスが紹介されています。

 あの「マイアミの奇跡」を起こしたアトランタ五輪チームの前身
であるU−20のコーチに就任したところから描き始められている
のですが、アトランタ五輪での現実を見極めた守備的な戦術が印象
的だった西野さんが、柏レイソルの監督となって、そこでも、どっち
かというと手堅いサッカーだったと印象がありますが、それがどうや
って、あのガンバの「超攻撃的」スタイルに変貌していったのか、
というところがもう少し描かれているとよかったのになあ、という
感じです。