バカボンのママはなぜ美人なのか/柴門ふみ

 

 

 かつて『あすなろ白書』や『東京ラブストーリー』などで一世を風靡した漫画家・柴門ふみさんが“嫉妬”を語ります。

 ワタクシ自身、柴門さんの代表作をいくつか読んだことがあるのですが、柴門さんのマンガって結構ドロドロしたところがあって、若かりし当時はイマイチ作品の世界に入り込めなかった記憶があります。

 この本では、かなり“嫉妬”の感情が強かったというご自身の経験も踏まえて、また周囲の人たちや、マンガの取材なども交えて“嫉妬”を語られる訳ですが、典型的なビジネス書みたいに、ミョーにキレイに論点が整理されているワケではないのですが、いちいち議論がココっていうツボを押さえている気がして、そのスルドさにハッとさせられます。

 突き詰めると「男は成功に嫉妬し、女は幸せに嫉妬する。」と結論付けておられますが、あーそういうことなんだなぁ、とそういわれてみると深くナットクできるところがあります。

 そういう深い洞察があったからこそ、あれだけの共感が得られるマンガをモノにできたんだなぁ、と逆にナットクした次第でした。