図解14歳から知っておきたいAI/インフォビジュアル研究所

 

 

 このブログでは、何か新しい分野やあまりワタクシ自身の知識が無い分野についての本を紹介する時に「14歳」というキーワードで本を選んでいますが、割とわかりやすく本質的なところに絞った内容の本が多いので、理解が進みやすいことが多いのです。

 

 ということで、まあAIについてはそういう業界にいることもあって、それなりに知識はあるのですが、14歳にどういう風に伝えるんだろう…ということに興味があって手に取ってみたのですが、あんまり14歳視点だったり、14歳に向けて内容の難易度を下げたりということは一切と言っていいほど皆無で、コンピュータ黎明期からを含めたAIの進化史みたいなところは、結構専門用語バリバリだったりします。

 

 ただ、かなりAIが本格的に導入されることによってどういう風に世の中が変わっていくかということについて、仕事に関する部分を中心にかなり詳細に紹介されているところが印象的です。

 

 まあ、14歳だと現在の仕事の様子にそれほど通じていないんで、こう変わるんだ!と言われてもピンと来ないかもしれないのですが、かなり広い分野で、少なくとも技術的には人手に置き換えることのできるAIの応用分野を色んな業界について網羅的に紹介されていて、14歳くらいの人たちにとってちょっとした危機感になるかも知れません。

 

 また、ディープラーニングや応用範囲が広がって、AIがある意味での「意志」を持った時、特に適用が進んでいる軍事分野などにおいて、最適化を求めるがあまり人類を「排除」しようとしてしまう可能性についても言及されており、AI開発における人間のガバナンスの重要性について言及されているところなども含め、オトナにとっても十分に考えさせられる内容で、AIについて包括的で基本的な知識を得たければこの1冊で十分と思える程の充実度でした。