学歴・競争・人生/吉川徹、中村高康

 

 

 高校、大学を受験する10代とその年代の子供を持つ親をターゲットにしたと思われる、学歴が人生に及ぼす影響について語られた本です。

 

 大学を受験する高校生ならある程度、高校を受験する中学生でも多少は、その結果が自分の人生にどういう影響を及ぼすかということをアタマに置いた上で受験に臨むと思われますが、大多数の中学、高校生やその親は、ある職業に就くところまでのビジョンはあるものの、その後の現役時代を過ぎて、リタイア後にどのような人生を送るかまでは念頭にないのではないかということを指摘されています。

 

 まあ、ワタクシなども50歳代を迎えるにあたってようやくリタイア後の生活にリアリティが出始めたところなんで、それを中高生に想像しろというのはムチャ振りでしょ!?というキモチが拭えないのですが、かなりそれが需要な要素であると主張されています。

 

 というのも社会において、一旦ある“階層”に属してしまうと、他の“階層”との交流はかなり少なくなってしまい、ある意味固定化してしまい、さらにはそれが子や孫の世代まで引きずってしまいかねないことを考えると、ある程度慎重に選択を図る必要があるということです。

 

 しかも、一流大卒→大企業というパスが最早必ずしもシアワセを担保するものではなくなりつつあり、かつ人生百年時代と言われるようになった昨今、なんとなく長いスパンでのキャリアを踏まえた選択というモノを常に意識しておかなくてはならないようで、進路の選択もムズカしいモノになりつつあるようです…