コロナショックと昭和おじさん社会/河合薫

 

 

 ANAのCAからニュースステーションでの気象キャスターを経て、現在は健康社会学の研究者として『残念な職場』など、オヤジをイジる著作で知られる方が語るコロナ禍の惨状についての本です。

 

 まあ、確かにコロナ禍でこれまで命脈が尽きそうになりながらも生きながらえてきた「昭和おじさん社会」がコロナ禍で息の根を断たれるといった論調が無くはないのですが、どちらかというとこの本の主題は「昭和おじさん社会」の被害者たるシングルマザーなどの困窮で、「昭和おじさん社会」はジリ貧ではありながらも、そういう周囲から比較すると、まだまだ恵まれた立場ではあるようで、着々と逃げ切りを図ろうとしているようです。

 

 ただ、そういう既得権益者の思うような社会が継続していることで、日本全体がジリ貧になっていることに、コロナ禍を契機として多くの人が気付いたはずなのですが、「昭和おじさん」が抵抗勢力ともなりかねない改革に手を付けようとする人は、政界にも財界にも稀で、このマンマじゃ日本全体が沈没しかねないような気がしますが、それでいいんですかね!?