未来のドリル/河合雅司

 

 

 『未来の年表』で日本の少子高齢化の衝撃的な近未来像を提示して大きな反響を呼んだ河合雅司さんがコロナ禍を受けての少子高齢化の現況をドリル形式で紹介した本です。

 

 コロナ禍が直接人口動態に大きな影響を及ぼしたということではなさそうなのですが、コロナ禍で露わになった様々な日本の社会の歪みが少子高齢化の加速を促すような問題をあらわにしたという側面があるようです。

 

 押しなべていうとコロナ禍は「社会の老化」を浮き彫りにしたとおっしゃられていて、マスク警察などで顕著になったように「同調圧力」がより強くなり、若者たちにとって生きにくい世の中になった側面があるようで、

  第一の切り札:国政選挙に「若者枠」を新設

  第二の切り札:中学卒業時からの「飛び入学」導入

  第三の切り札:「30代以下のみが住む都市」の建設

  第四の切り札:大学を共同キャンパス化する

  第五の切り札:若い人々に英才教育をする

といった処方箋を提示されているのですが、行き過ぎたシルバー民主主義を強力に是正する方向性が求められているようなところもあるようで、かつては移民に救いを求めようとした動きもありましたが、日本自体に最早移民をしてくるまでの魅力も失われつつある中、若者にも見捨てられつつあるようで、そのうち中国や韓国のように、小金を稼いだら海外脱出をしたくないような国になってしまいそうなくらいの国にしてしまったことに早めに気づかないと、正にゆでガエル状態になってしまい、国家の破滅につながってしまいそうです…