いい加減に目を覚まさんかい、日本人!/百田尚樹、ケント・ギルバート

 

 

 ケントさんの著者ループが続いていますが、とうとう右翼モノに手を出してしまいました…しかも、極右の論客とされ、歯に衣着せぬモノ言いで物議を醸すことも多い百田尚樹さんとの対談ということで、コワいモノ見たさで手に取ってみました。

 

 似た志向だけあってかなり対談は盛り上がったようなのですが、特に中国や韓国をターゲットした排外的な内容は読むに堪えないと思える部分も無きにしも非ずなのですが、時折スルドい指摘が織り交ぜられているので、一概にムシしてしまえないところがコマッたところです。

 

 例えば韓国について、歴代の中国の王朝は従属はさせたモノの決して韓国を支配下に置こうとしなかった…拡大志向の最たる元ですら…ということで、歴代の王朝は韓国を支配しようとするとかなりメンドクサイことになることが分かっていたと指摘されていたことに深くナットクした次第で、ツマラない拡大志向で地雷を踏んでしまった先祖の愚行を改めて嘆きたくなります。

 

 この本で右翼的な思考を嫌悪する方々でも特にムシすべきではないのが日本のメディアに対する批判で、ケントさんが『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』でも言及されていたGHQの統治下におけるいわば洗脳プログラムであるWGIP(War Guilt Information Program)に乗っかってしまい、中国における南京大虐殺731部隊の人体実験、韓国における慰安婦の拉致に関する報道など、捏造してまで自虐史観を強化しようとする報道で、捏造だということが発覚しても自省すらしない姿勢に、ジャーナリストにあるまじき姿勢だということで強く非難されているところにはナットクせざるを得ません。

 

 個人的にはどちらかというと右翼的な志向があると自覚しているのですが、ネトウヨを始めとして右翼とされる方々の排外的な志向には同調しにくいのがジレンマで、ワタクシにとってはこういう排外的な論調の本を読むのはあまりキモチのいいモノではなく、必ずしも同調できないまでも見るべきトピックを探す修行と言えそうです…