日本の聖域 ザ・コロナ/「選択」編集部

 

 

 書店では販売せず宅配の年間購読のみという形態での出版を続ける情報誌『選択』のコロナ関連の記事を中心にまとめられたモノです。

 

 この雑誌、かなり硬派のようで権力への忖度にまみれた大手メディアでは取り扱わない権力の腐敗などに鋭く切り込むといった感じで、この本ではコロナ対応における政府や厚労省の失策や医療関連組織の利権優先の腐敗した体質を紹介する記事を中心に、2019年2月号~2021年6月号に掲載された記事から厳選されたモノをまとめられているということです。

 

 先頃凶弾に倒れた安倍元首相の”アベノマスク”に象徴されたように、政府のコロナ対策は迷走を極めたワケですが、そもそも初動から組織の論理で感染症のシロウトに近い人材にかじ取りを任せ、当然のごとく感染拡大防止に失敗しても誰もロクに責任は取らず、ワクチン利権でカネのニオイがし始めるとワラワラと利権に群がるといった具合で、人の命よりも組織の保全やカネや利権の方が優先される状況をあらわにされておられて、コロナの拡大は人災の要素が色濃くあったことを指摘されています。

 

 コロナに限らず、利権や組織の保全、失敗してもだれも責任を取らない体制というのは変わらぬ日本の病巣のようで、そりゃ社会も停滞するよなぁ、と思うのですが、まだこういうメディアの存在が許されているだけでもマシなのかも知れません…