元大阪府知事、大阪市長の橋下さんと堀江さんが、今後の「生き方」について、働き方、お金、居住、学びといった分野ごとに語られた本です。
対談ではなくて、それぞれが各テーマについて語られたモノをまとめたカタチになっているのがちょっと残念な気はしますが、このお二方が好きなように話し始めると収拾がつかなくなるかもしれないので、これでよかったのかも知れません…(笑)
この本では、橋下さんが語られているパートを中心に「流動性」ということが再三語られていて、橋下さんは、昨今の日本の閉塞感というモノが特に「ヒト」の流動性の無さに起因するんじゃないかと語られます。
ワタクシが働き始めた数十年前と比べると転職も珍しくは無くなりましたが、諸外国と比べるとまだまだ人材の流動性は低く、多くの人が長期間ひとつの企業に勤めるという志向がまだまだ高いワケですが、企業としても解雇という手段が取りにくい分、雇用条件を低く設定せざるを得ず、そのことが収入の伸びを阻害していると指摘されています。
確かに安定性には劣るワケですが「ヒトの流動性」を高めることで「カネ」や「モノ」の流動性も高まり、経済が活性化することによって収入の伸びも見込めるということで、あらゆるモノの「流動性」を高めることで日本全体を活性化して行こうというのがこの本のテーマと言えるかもしれません。
あとがきで橋下さんは、堀江さんこそが「流動性」を象徴する存在だとおっしゃられていて、この本でも堀江さんは既存の枠組みにとらわれない「生き方」を提唱されているのですが、従来からおっしゃられている義務教育の撤廃についてここでも語られています。
というのも、そういう流動性の高い生き方をするためには、カタにハマった学びは役に立たないことが多く、それぞれの個人の自分の志向に従って、その志向に役立つことを主体的に学ぶことが必要になるワケで、学びにも多様性が求められるということで、そういう過激なモノ言いになってしまうのかも知れません。
また個々の日本人がそういう「流動性」に対応できるようになることで主体性を取り戻すことになり、改めてクリエイティブな姿勢を取り戻すことで、また日本社会全体が活性化して行くことになるのかも知れません。