サザンオールスターズ1978-1985/スージー鈴木

 

 

 今や、”国民的バンド”とも言えるサザンオールスターズのデビュー当初から、名作アルバム『kamakura』をリリース後、最初の活動休止に入るまでを追ったモノです。

 

 ワタクシ自身、サザンのデビュー以降、ほぼリアルタイムで体験しており、かつ何度かライブも体験するという、後世からみると僥倖に恵まれたことになるのですが、デビュー当初は10歳位で今ほど音楽に興味が深かったワケでもなく、『ザ・ベストテン』を見ながら、何だか騒がしい連中が出て来たなぁ、と思っていた程度の興味でした。

 

 著者のスージー鈴木さんはそのデビュー曲である『勝手にシンドバッド』こそが『日本語でロック』をするという長年の命題を完成させたという位置付けをして高く評価されているというのがちょっと驚いたところなのですが、洋楽や矢沢永吉を擁した伝説のバンド、キャロルからの影響などを指摘されて、その革命性を解説されています。

 

 その後3枚目のシングルである名曲『いとしのエリー』でコミックバンド的な評価を跳ね飛ばし、今日の国民的バンドとなる礎を気づくワケですが、その後、あまりに自身の音楽的趣味に寄った曲のリリースで迷走したということですが、次第に世間が求める音楽との折り合いをつけ、音楽性の高さと大衆性を両立を確立したのが活動休止前にリリースされた『kamakura』に先立ってリリースされた名曲『Melody』だということです。

 

 個人的には『kamakura』のリリース時に高校生で、初めてサザンをアーティストとして認識したことを記憶していますが、スージー鈴木さんもほぼ同年代で、この本で語られていることが自身の記憶と重なって感慨深い所です。

 

 ということで、ワチャワチャしていたデビュー期から発揮していた才気にふさわしい評価を得ることになって、一旦活動を休止されるワケですが、その後、断続的な活動であっても圧倒的に支持されるだけのベースを確立していたんだなぁ、ということを改めて認識させられた次第でした。