養老先生、再び病院に行く/養老孟司、中川恵一

 

 

 「再び」というタイトルに含まれるコトバにちゃんと反応していれば…『養老先生、病院へ行く』という正編があるにも関わらず、続編から手に取ってしまいました…

 

 正編では、医者でありながら病院を極力避けているという養老センセイが体調不良で15kg痩せたこともあって、病院にかかられたようで、解剖学の手ほどきをした中川先生に見てもらって、ガンかと思っていたのが心筋梗塞が見つかったということらしく、この本では中川先生が当初の診療から1年余りが経ち、再診を促したということからハナシが始まっています。

 

 元々、養老センセイは糖尿病の気があって、病院にかかられるキッカケとなった15kg減は糖尿病で起こりうるそうなのですが、初診の際に中川先生はガンを疑ったようです。

 

 かかられたときに90歳に近い年齢だったということもあって、あれこれ不具合は見つかったようですが、リスクが高い心筋梗塞への対応以外は、腸のポリープも病院側はとりたがったようですが、そのまま放置されたということで、一般にポリープがガン化するまでに20年近くかかるということで、そんなに生きる気のない養老センセイとしては手術の選択肢はありえなかったようで、多くの老人もそういうスタンスでいる方が自然なんだろうと思います。

 

 実は『80歳の壁』などでヒットを飛ばしている和田センセイも、中川先生の机を並べて養老センセイの薫陶を受けていたということで、実は似たモノの思想の継承!?と思ってしまいます。

 

 退院後、糖尿病であれこれ言われたくなかった養老センセイが、青木先生の『「空腹」こそ最強のクスリ』の16時間断食を実践されたというのが意外で、養老センセイが取り組むぐらいだからホンモノなんだろう、ということで、しっかりと糖尿病の症状も軽減されたようです。

 

 まあ、最近このテの気楽に生きる老人についての本を折に触れて取り上げていますが、こういう方がずっと充実した生活が送れると改めてナットクする次第です。