養老先生、病院へ行く/養老孟司、中川恵一

 

 

 うっかり、『養老先生、再び病院に行く』の方を先に紹介してしまいましたが、改めて正編の方を手に取ってみました。

 

 コロナ禍であまり出歩かなくなったという養老先生なのですが、コロナにかかったのかな!?と思われて体調不良を感じられたところ、さすがは医師のカンなのか、ちょっとヤバいかも!?と思われて、26年ぶりに旧知の中川先生のおられる東大病院にかかられたところ、実は心筋梗塞で、あと1時間くらい診てもらうのが遅ければ致命的だったにも関わらず、そんな意識のない養老先生は、帰りに天ぷらでも食べて帰ろうかと思案されていたということなのですが、すんでのところで一命をとりとめたということのようです。

 

 中川先生も、養老先生の医者嫌いを知っていたからこそ、それでも医者にかかろうとしたことで、切迫した状況を察知されたんでしょうけど、そんな中でなぜ医師である養老先生が医療にかかることを避けるのかということを語られます。

 

 元々、それほど医者にかかるのに積極的だったワケではなかったようですが、昨今のエビデンス主義みたいな、患者を診ずに、数字を見たがる昨今の医師に違和感を感じられているようで、ひょっとしたら旧来的な患者と向き合う医療を旨とする中川先生がいらっしゃらなければ、養老先生も病院に行かなかったかもしれなくて、そうなるとおそらくお亡くなりになっていたはずで、そういう数字ではなく、患者と向き合う医療を取り戻さなければ、色んな意味で矛盾を生みかねないということへの警告なのかもしれません。