大泉エッセイ/大泉洋

 

 

 今や押しも押されぬ、日本を代表する名優となった大泉洋さんが、北海道のローカルタレントだった24歳の時から、ようやく『探偵はBARにいる』で主演を張るようになった頃まで雑誌に寄稿したエッセイを集めた本です。

 

 エッセイを始めた当初は、ローカル番組でドタバタな感じで人気を博していたこともあって、ウケるモノはオモシロいんですが、かなり波があって、ただ単に締め切りに追われて焦ってます…みたいな内容のないモノも見受けられて、大丈夫かよ…という感じなのですが、大好きだったじいちゃんネタに頼りつつも、そのじいちゃんが亡くなって、同時期に彼女にフラれたのちには、現在の俳優業にもつながるメランコリックな側面も見せていて、そういう才能を見出した人たちってスゴイなぁ、と感心します。

 

 よく鶴瓶さんが言っていますが、オモシロい出来事を呼び込む人っているもんで、このエッセイを書かれている時期の大泉さんって、そういう側面が多々あったように見受けられ、そういう面白がって近づいた人々から次第に才能を見出されていったんだな、という気がします。

 

 日本を代表する名優となった現在でも、そういうサービス精神旺盛な姿勢には好感が持てますが、今後とも観客を笑わせて、泣かせる名優としての活躍を期待してやみません。