未来の稼ぎ方/坂口孝則

 

 

 メディアでも時折お見掛けする調達・購買コンサルタントの坂口さんが、近未来の「稼ぎ方」を予測された本です。

 

 この本は2018年に出版されて、2019年以降2038年までに予測されるトレンドを踏まえて、「来る」ビジネスを占い、それに向けた戦略を提唱されています。

 

 執筆されたのが2018年以前ということで、コロナ禍の影もカタチもない頃なので、「予測」されているトレンドもコロナ禍の影響を受けて変わってしまっている部分もあるでしょうけど、あとがきに坂口さん自身が書かれているように、多くの予測は意味がなく、この本も、客観的なデータをベースにしてはいるモノのあまり意味がないだろうとおっしゃられていますが、そういうには惜しい観点も散りばめられています。

 

 というのも、「予測」の中には、2025年の「団塊世代が75歳へ」とか、坂口さんの趣味を反映した「フジロック30周年」、2032年の「インドが日本のGDPを超える」といったモノによっては多少の年代のズレが見込まれるとは言え、ほぼ確実に到来する未来を語られたモノも含まれるので、単なる「予測」とはバカにできません。

 

 そんな中で大きなトレンドとして、少子高齢化ということは動かせないところのようで、そういう日本国内だけを見ると確実に経済規模がシュリンクしていく中でどのように一定の経済規模を維持していくかということを考えることは、かなり重要なことと言えるでしょうし、こういう本は何らかのヒントを与えてくれる可能性があります。

 

 2033年の「30%超が空き家に」というトピックも少子高齢化の影響によるものでしょうけど、そんな中でシェアハウスやルームレンタルの考え方など、参考にすべきとロコがあると思えますし、いち早く超高齢社会を迎える日本としては、他国へのコンサルティング的な活動も重要なビジネスチャンスになりうるということもあるでしょうから、戦略的に少子高齢化を受け入れるという選択も考えておいた方がいいような気がします。