日本解体論/白井聡、望月衣塑子

 

 

 昨日に引き続き白井さんの本ですが、今回は、これまた政権への鋭い批判で知られ、あまりの鋭さに官房長官在任時の菅氏から出禁になったという伝説を持つ東京新聞の望月衣塑子記者との対談本です。

 

 まあ、しかしこの本を読んでいると日本の現況のあまりのダメダメさに絶望的な気分になります。

 

 安倍長期政権が私物化の限りを尽くした余波で、政治家が責任というコトバを忘れてしまって久しいということもありますし、官僚も官邸の方だけを向いて忖度仕事ばかりをするので、政策立案・遂行能力が著しく下がったのに加えて、仕事が面白くないので優秀な人が官僚にならなくなった/なってもすぐに辞めるようになった…財界は財界で、自分たちの利益ばかりを考えて、法人税の引き下げを要求して代わりに消費税あげりゃいいじゃん!?といいつつ内部留保ばかりを積み上げる…

 

 そういう体たらくを糾弾するはずのメディアは政権とズブスブで、もはや広報機関と化しているということで、国民はそういう「広報」をまともに受け取って、自分でモノを考えようともしないので、なんとなく野党は頼りないから自民党に投票して、搾取の餌食になり続ける…言ってみれば、この本ではこういう現代日本の地獄絵図を示されています。

 

 じゃあ、どうすりゃいいんだ!?ということですが、白井センセイによると「堕ちるところまで堕ちるしかない」…確かに、日本の歴史を見ているとそうなんですよねぇ…(泣)