日本の歪み/養老孟司×茂木健一郎×東浩紀

 

 

 養老先生の「日本論」ですが、今回は、最近何かとSNSへの投稿で物議をかもすことの多い脳科学者の茂木健一郎さんと、作家・批評家の東浩紀との対談です。

 

 冒頭で、やっぱりどう考えても字義どおりに憲法第九条を見れば、自衛隊というのは違憲にあたる「軍隊」でしょ!?という、誰もがあまり触れないようにしていると思われる「歪み」について語られているのですが、明治維新以降の近代日本にはそういう「歪み」にあふれていて、その「歪み」が日本社会の居心地の悪さにつながっているのではないか、ということが全体を通したテーマとなっています。

 

 天皇憲法、税金、戦争といった日本社会を取り巻く、様々な局面における「歪み」を指摘されているのですが、その起因の一つとして、あいまいで明確な表現をするのにふさわしくない日本語の言語体系の中で、欧米的な社会制度を受け入れようとしていて、それほど日本語自体の改革がないまま、社会制度との併存をしてきたというところに常に相容れないモノを抱え続けてきたということがあるということを再三指摘されています。

 

 そういう矛盾の象徴的なところが、今なお維新の最大の功労者の一人でありながら「反逆者」となってしまった西郷隆盛が広く日本国民の支持を集め続けているということを指摘されているのに深くナットクするところで、そういうホンネと建前が深く断絶しているところに日本人の不幸があるんだなぁ、ということを改めて痛感させられた次第でした…