北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか/秋嶋亮

 

 

 以前、『ニホンという滅びゆく国に生まれた若い君たちへ OUTBREAK』を紹介した社会学者の秋嶋亮さんの著作ですが、その体制への批判的な言論故か、近作である『日本人が奴隷にならないために―絶対に知らなくてはならない言葉と知識―』は出版から間もない時期であるにも関わらず、長らくAmazonでは在庫切れの状況が続くなど、かなり体制から警戒されているようで、この本でも北朝鮮をめぐる状況についての欺瞞を語られます。

 

 この本が制作されていた当時安倍政権だったようなのですが、早朝などにミサイル発射があったにも関わらず、官邸住まいではなかった当時の安倍首相がミサイル発射直後にも関わらずスーツを着て会見に臨んでいたり、ミサイル発射があったにも関わらずゴルフに興じていたりと、元々発射のタイミングを知っていたのではないの!?とか、発射自体、それほど大した危機と捉えていないのではないの!?と思える傍証を数多く指摘されていて、これは「邪推」と捉えられかねないのですが、モリカケなど安倍首相がピンチになった頃合いにフシギと北朝鮮のミサイル発射があったりと、そういう情報を総合すると示し合わせていたとしか思えないんじゃないか、とそういわれればそうとしか思えなくなってきます。

 

 それ以前に、年に数回しか行わない北朝鮮のミサイル発射に対し、ロシアや中国の核実験は年中行われていたり、それ以上にアメリカは頻繁に行っているということで、北朝鮮のミサイル発射を殊更問題視するのは、軍事産業の振興や、軍事予算の上積みのためなんじゃないの!?ともおっしゃいます。

 

 そもそも、日本はウォール街の利益代行機関であるアメリカ政府の「植民地」だということで、安倍首相はその忠実な「犬」だということで、ウォール街の意向に忠実に動くことが権力の基盤となっているということで、北朝鮮との茶番もその一環だと考えると、色んなことがハナシとしてつながっていく気がします。

 

 そういう事象って、断片的には多くの国民が認識しているはずなのですが、秋嶋さん自身、そういう事象を詳らかに見えてしまうことで吐き気を催すような嫌悪感を感じるとおっしゃっていますが、多分それをつなぎ合わせて見えてくる欺瞞を認識することで感じるであろう嫌悪感に、多くの国民はうすうす気づいていて、そういうことを回避するために、敢えて愚昧に甘んじているんではないかと思います。

 

 昨年末に露わになった自民党の裏金疑惑ですが、多くの国民はそういう事象があることはうすうす感じてはいたんでしょうけど、露わとなったことで言いようのない嫌悪感を感じていることだと思いますが、結局一時はそういうことに怒りを感じながらも、そういう嫌悪感から逃れないがために、自民党に鉄槌を下すのか、それでも早く忘れ割てくれとばかりにウヤムヤにして自民党に投票し続けるのか、後者でないことを祈りますが…