日本を覆う8割の絶望と2割の希望/辛坊治郎

 

 

 以前紹介した『この国は歪んだニュースに溢れている』の続編ということですが、昨年末からの自民党の裏金疑惑を引きずったまま新年を迎え、いきなり元旦から能登半島地震羽田空港の衝突事故で明けた今年、2割も希望があるようには思えないのですが…

 

 前作で既得権益でがんじがらめの状況に触れられていましたが、本作でもそういう状況の結果として、自動車の自動運転など多くの分野において研究開発が阻害されており、諸外国から大きな後れを取っており、そのことが日本の賃金の伸びを阻害し、より日本が貧しい国になっていきつつあることに拍車をかけていると指摘されています。

 

 ただそれでも政治家は、裏金疑惑で露わになったように自身の利益と保身にしか興味がなく、メディアは政官界からの自分たちに都合の良い情報を垂れ流すだけで、政官界の矛盾を糾そうなんて気概はまるでない…どこに2割の希望があるんだ!?という状況ですが、辛坊さんはフリーのジャーナリストだということで、ある程度メディアの利害関係から自由な側面があるから、こういう歪んだ状況を若い世代に伝えることで、「ゆでガエル」状態から抜け出そうというキモチになることを期待して、ということのようですが、果たして今の若い世代にそれだけの気概があるんだろうか…