本棚には裏がある/酒井順子

 

 

 『負け犬の遠吠え』で知られる酒井順子さんが『週刊文春』誌の連載『私の読書日記』に寄稿された記事を集めた本です。

 

 寄稿された記事を、「女性」「暮らし」「歴史・社会」「旅」と大きく4つのジャンルに分けて掲載されていて、かつそれぞれの1回分の記事についても、1冊を取り上げて、というワケではなく、どういう基準のチョイスになっているのかよくわかりませんが、一定のテーマに従って何冊かをまとめて紹介されているので、あまりそれぞれについて深堀しているワケにはいかないのですが、ワタクシのように芋ずる式に関連する図書を知りたい向きにはありがたい構成です。

 

 酒井さんと言えば、個人的には「女性」モノと「旅」モノが印象的で、そういった本も取り上げられているのですが、意外と下ネタ系も題材にされることが多いのですが、この本ではオヤジ向けの雑誌ゆえか、AVに関する書籍や、グラビアアイドルの写真集なんかも取り上げられていて、結構キワドいないようにまで触れられているのですが、それなりにディープな内容であるにも関わらず、下品にならないところがスゴイところで、だからこそそういったチョイスを担当されているのかな!?と思わされます。

 

 また、1冊当たりに割ける紙幅が限られている中、あれこれ読んでみたいと思わせる文章力にもうならされます。

 

 結構、魅力的な本との出会いが期待できますので、是非手に取って見てください。