「全世界史」講義II/出口治明

 

「全世界史」講義 II近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史

「全世界史」講義 II近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史

 

 

 ようやくIIを読みました。

 実はIを読んでから、あまりの知識のなさに不安を覚えて、世界史マンガと並行して読んでいたのですが、IIの方が知ってることが多くて、ちょっと安心していたところです。

 歴史が進んできて取り上げるべき事象が急激に増加していく訳ですが、結構細かい単位で事象を刻んでいっている感じします。

 おそらくそれは世界各国の同時代性を感じさせることを意図されたのかな、と想像していますが、そのことによって、逆に大きな趨勢を感じられるような気がします。

 数多くの有能な王や政治家などが登場するワケですが、Iの方では人口、IIになってからは当時の推計のGDPを時折取り上げられていて、結局国力の趨勢と言うのは人口≒GDPに依存するということをおっしゃっていて、なるほどなぁ…と感心します。

 確かに自らのチカラを顧みず10倍の国力(GDP)を持つアメリカにブッ飛ばされた日本や、生産性がジリ貧になる中、身の丈に合わない軍事力を備えようとしたソ連が崩壊するなど、結局如何に国を富ませるかということが国の繁栄につながるんだな、ということがこれまでの世界史の力学として作用していたんだな、ということがよくわかる内容でした。

 

「暴走する」世界の正体/宮崎学、佐藤優

 

 

 学生時代に学生運動に従事し共産主義革命について研究してこられた方が、「知の怪人」佐藤優さんと昨今の世界の動きと革命の類似性について語られます。

 全体の2/3位がキューバ革命などの過去の革命のことについて、残り1/3でトランプ大統領アメリカ、プーチン大統領のロシア、金正恩北朝鮮の昨今の状況に加えて、沖縄の“革命”の可能性についても触れられています。

 こう見ると佐藤さんの守備範囲は1/3かと思えるのですが、革命論のパートでも自ら目の当たりにしたソ連の崩壊など、宮崎さんが革命の背景について佐藤さんに確認することが多くなっています。

 トランプ大統領と“革命”というのは結びつかない気がしますが、「なんでもあり」のトランプ大統領は、既成の“暗黙の了解”という「スキーム」を壊し続けており、そういった意味で“革命”だということですが、それだけに何をするかわからないコワさがありますが、一方で商売人だけにコストに合わないことはしないはず、という指摘もされているのですが…

 

女系図で見る驚きの日本史/大塚ひかり

 

女系図でみる驚きの日本史 (新潮新書)

女系図でみる驚きの日本史 (新潮新書)

 

 

 昨日は“性”をテーマにした本を取り上げたのにあまりエロくないという肩透かしを食らったのに、今日は日本史の本なのに読んでいくと異様にエロいという…

 女性宮家が議論に上るようになってから、女性の歴史における役割を取り上げた本が数多く出版されるようになってきていますが、この本は女性の出自を中心とした家系図を作ってみると、結構隠されていた歴史の“事実”が浮かび上がってきたということです。

 “エロい”というのは主に平安時代で、ほとんどフリーセックス状態で、男女とも既婚者だろうがナンだろうがとっかえひっかえヤリまくってて、親子が穴兄弟だったなんてことが、天皇家においても発生していて、結構フツーの出来事だというからオドロキです。

 ということでこのころは女性も隠然たる発言力があったようで、天皇家のみならず貴族階級でも相続において、男性側の立場はモチロン、誰が生んだかということも、その子の地位にかなり重要な影響を及ぼしたということです。

 その女性の地位が決定的に低下したのは、以前取り上げた本でも触れられていたんですが、徳川家康が『吾妻鏡』の愛読者で、北条家が鎌倉将軍家に及ぼした影響や豊臣政権における淀殿の例などに鑑み、外戚が権勢をふるうことの弊害を防ぐための制度設計を行ったためだということです。
 
 歴史がキライな女子が多いようですが、こういう
ことを歴史教育に取り入れたら、ゴシップ好きのオ
バちゃん予備軍である彼女らの歴史への興味がグッ
と高まるんじゃないかと思うのですが…

 

誰も教えてくれない大人の性の作法/坂爪真吾×藤見里紗

 

誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)

誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)

 

 

 数多くの性関連の著書を出されている坂爪さんが、性教育者として活動されている藤見さんが共著されたモノです。

 この本は、マトモな性教育を受けていない最後の世代である30歳代半ばの世代をメインのターゲットとされていて、セックスを語るというよりも性に対峙する“姿勢”を教えるといったスタンスの内容と言えそうです。

 性教育と言っても、従来的な大半の人が結婚するというライフスタイルを前提としたものの有効性がアヤシイものとなってきており、男性向けとしては既婚-未婚、雇用の正規-非正規という2つの軸で4分割して、橋爪さんが語られているのですが、必ずしもパートナーがいることを前提にしない考え方もあるということを念頭に置いておくべきことを語られているのが印象的です。

 女性向けには藤見さんが女性向けのパートを語られているのですが、従来の生命倫理に基づくものではなく、例えば出産直後のセックスの危険性やヘビーな生理痛への対処、セックスを強要するパートナーへの対応の方法など、起こりがちなケースへの具
体的な対応法について教えないといけないんではないか、ということを提唱されて言います。

 確かに、草食系男子の増加など恋愛のカタチが大きく変わっている中、画一的な“性”のイメージが邪魔になっていることがよく理解できる内容となっています。

 

40代から最短で速くなるマラソン上達法/本間俊之

 

40代から最短で速くなるマラソン上達法 (SB新書)

40代から最短で速くなるマラソン上達法 (SB新書)

 

 

 この方、ワタクシよりもチョイ年上で、かつ40歳代にマラソンを始められたということで、かなり共通点が多く、何か参考にできないかと思って手に取ってみました。

 しかも、かなり色々なマラソンのノウハウ本を読み漁って、そのエッセンスを自分に合ったモノを取捨選択して取り入れるという「R&D」に取組まれているということで、ワタクシ自身もこのブログで取り上げた本について数多く触れられています。

 ワタクシと共通しないのは、この方、初マラソンでサブ4を達成し、更には3回目でサブ3、50歳代になっても自己ベストを更新し続けて、2時間44分という驚異的なパーソナルベストをお持ちです。

 ワタクシとのこの差は何なんだろう…と思わざるを得ないのですが、まずかなり運動能力に恵まれていることが伺えるのと、あまり大きな故障をされていないということもあるのですが、自分がコレだと思った手法について、かなり徹底的に実践されているようで、特に以前このブログでも紹介した『マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる!』のTake先生こと田中猛雄さんが推奨する「疲労抜きラン」を忠実に実践されていて、ワタクシ自身も一時期取組んだのですが、あまりに遅いスピードに耐えかねて止めてしまったのですが、この方はしっかりと定着させているようです。

 ランニングクラブに入られたり、スピード練習にも積極的に取組まれたりと、50歳代半ばになってもムリの無い範囲で貪欲に取組まれており、ワタクシのように、あれはイヤ、これはムリとワガママ放題じゃ記録を伸ばすのはムズカシイんだな、と当たり前のことを痛感させられた次第でした…(笑)

 

知的性生活/志賀貢

 

知的性生活 医師が教える大人の性の新常識 (角川新書)

知的性生活 医師が教える大人の性の新常識 (角川新書)

 

 

 時折このブログでは“性”に関する本を取り上げているのですが、そういうのを見てきっとこの人はムッツリスケベに違いないと思われているのを認識しながらも、そういった本への興味を断ちえないワタクシだったりします。

 この本はお医者さんである著者が、主に50代以降のシニア世代が性生活を謳歌できるようにということで様々なノウハウを紹介された本です。

 ワタクシ自身先日50代に突入したということもあって、“性生活”と大手を振って言えるほどの活動はしていないのですが、それでも希望を捨ててはいけない!ということらしいです。

 やはりパートナーとの性生活がある方が円満な関係を継続できることが多いようで、キープし続けるためのノウハウが紹介されているのですが、特に男性側の対策が必要となることが多いようなのですが、食生活に気を付けるとか、ちょっとした工夫を続けることで“継続”できることが多いようで、是非参考にしてみたいものです。

 また日本人男性として気にしなくてはいけないこととしてこの本で紹介されているのが、諸外国の男性と比べて、かなり自己本位なセックスをする人が多いということで、円満な性生活を続けていくためにも女性のカラダに配慮することを奨められていて、これもまた参考にしたいところです。

 

成功している人は、なぜ神社に行くのか?/八木龍平

 

成功している人は、なぜ神社に行くのか?

成功している人は、なぜ神社に行くのか?

 

 

 電車内の広告で見てタイトルが気になっていたのですが、同じことを考えていた人が山ほどいたらしく、半年以上図書館での順番待ちを経て、ようやく手に取ることができました。

 この本の作者は研究職をされていた方だということなのですが、科学者が神社?という感じのフリを冒頭でされていて、かつワザと(!?)アヤシげな演出をされていたり、編集者に求められたからなのか、ムリに神社への参拝と“成功”を結び付けたフシがあるなど、ツッコミどころが満載なのですが、突き詰めて見れば“神社参拝のススメ”と言っていい本なんじゃないかと思います。

 神社へのお参りと言うとフツーは単にお賽銭をあげて、願いことをして…といったことを思い浮かべますが、この本ではお参りを“神様との対話”といった位置づけをされていて、そういう“コミュニケーション”によって、よりご利益を受けやすくしようということを紹介されています。

 というのも神様は現世にいる我々を通して功徳を施そうとされており、積極的にその“使い”となることでシアワセになってはどうですか!?ということのようです。

 そのためには、お参りをする際にちゃんと、どこそこの誰々であるということを明確にして、お参りをさせていただくお礼をした上で、お願い事をし、祝詞を唱えて神様とのコミュニケーションの意識をすることで、神様からして“使い”として“使える”のかどうかの判断をしてもらいやすくすることが重要だということです。

 こういうスピリチュアルものって、眉にツバをつけたがる人が多いと思いますが、この本を読んで感じたのは、神社にお参りしてスッキリした気分になれるだけでもめっけモノなのに、それで願い事まで叶うかも知れないなんてオイシクないですか!?となると、お参りするしかありませんよね!?