ラー油とハイボール/子安大輔

ラー油とハイボール―時代の空気は「食」でつかむ (新潮新書)

ラー油とハイボール―時代の空気は「食」でつかむ (新潮新書)

 以前、『「お通し」はなぜ必ず出るのか―ビジネスは飲食店に学べ (新潮新書)
で感銘を受けた著者の新刊を見かけたので、手にとってみました。

 相変わらず、シャープな視点で飲食店の「今」を考察されている
のですが、長引く不況のせいか、以前なら通用した飲食店における
セオリーが通用しなくなり、段々と消費者が求めるものが変わって
来ているようです。

 例えば、以前ならレアな焼酎を集めて、もっともらしいウンチク
を添えて置けば、なんとなく高級感が出て、大して美味しくもない
アテに高い値段をふっかけている店も散見されたのですが、そうい
うことが通用しなくなっているようです。

 それに代わって、消費者は何らかの「ストーリー」を求めている
ようなのです。
 なぜ、「ストーリー」が消費者の支持につながるのかというと、
そこにあるメッセージに消費者が「共感」を覚えるからだ、と著者
は述べられています。

 そういう「ストーリー」を作る上で、「〜なのに〜」とか、
敢えてコンセプトをずらしてみるとかそういうアイデアが満載で、
集客に困っている飲食店の方は、何らかのヒントを得られるかも
知れませんよ。