欧州サッカー「最強クラブ」伝説/西部謙司

欧州サッカー 「最強クラブ」伝説 (PHP文庫)

欧州サッカー 「最強クラブ」伝説 (PHP文庫)

 サッカーの戦術論に明るい著者による、欧州チャンピオンズリーグ
クロニクル的な本です。

 著者によると、現在進行形の最強チームであるバルセロナ歴史的評価
はとりあえずもう少し状況を見てからということで、脇に置いておいて、
これまでの欧州サッカーにおける革命的なチームとして、3つのチームを
挙げています。
 まず1つ目は、チャンピオンズリーグの全身である、チャンピオンズカ
ップの第1〜5回大会を連覇したレアル・マドリッド、2つ目は、クライフ
を擁して、70年代に君臨したアヤックス、そしてもうひとつがプレッシン
グにより革命的な守備戦術を編み出した90年代のミランです。

 著者は、現時点ですでに、グアルディオラバルセロナがこれらのチーム
と比肩しうるチームであるとして、その戦術の要諦を詳しく述べられています。

 その他は、チャンピオンズ・カップ〜リーグの歴史の紹介なんで、あん
まり新たな発見はありませんが、ノッティンガム・フォレストレッドスター
ベオグラードみたいなマイナーなチームの快挙についても、比較的詳しく
述べているので、そこは参考になりました。

 まあ、何にせよ、著者のバルセロナへの傾倒振りが改めて確認できる本
でした。