自分「プレゼン」術/藤原和博

自分「プレゼン」術 (ちくま新書)

自分「プレゼン」術 (ちくま新書)

 この本は、藤原さんがリクルート在職中に書かれた本です。

 あとがきに、「自分の理想だけを突きつけるアングロサクソン・タイプのプレ
ゼンテーションを強調しませんでした。」と書かれていますが、単に、PPTとか
を使って、相手に自分の主張を伝えると言った「狭義」の「プレゼン」ではなく
て、自分を相手に受け入れてもらうための手法全般についての本、と言う感じ
です。

 特に印象的だったのが、相手をもてなすことにより、自分のパーソナリティ
を「プレゼン」するということです。

 接待と言うと、お金をかけて「もてなす」ことが、相手への配慮だと考える人
が少なくないかもしれませんが、それは相手によっては食傷気味で、むしろうん
ざりしてしまって、逆効果となることもあるかもしれません。

 そこで藤原さんが勧められているのが、自分のテリトリーに相手を引き込むこ
とで、自分を理解してもらって、受け入れてもらおうというものです。

 例えば、自宅に招いたり、自分の行きつけの店に案内したりして、自分という
ものを理解してもらうことで、緊密な関係を築くきっかけにしてはどうか、とい
うことを紹介されています。

 もちろん、いわゆる「プレゼン」についても取り上げられているし、今となっ
ては、割とポピュラーになりつつありますが、当時は斬新だっただろうなあ、と
思われる、名刺によるアピールや、個人HPの立ち上げや個人の「ロゴ」作成の
ススメ、年賀状でアピールする方法など、個人が自分を相手に「プレゼン」する
ということが、こんなにもいろんな手法があって、広がりがあるんだと感嘆させ
られますよ!